スキャルピングのテクニック4 存在確率とブレークアウト

みなさんは存在確率という言葉をご存知だろうか？物理学の用語の様なのだが。この理論をオプション取引に取り入れたオプションプレーヤーがいるらしい。（マーケットの魔術師より）

物理の量子力学においては、電子がどの座標（位置）に存在するかということを確率で表す。これは、波動関数という関数により記述され（波動関数の２乗が存在確率となる）、量子力学の根幹となっている。これを為替に取り入れた場合には、どうなるのだろうか。例えば、１月2日の初値のUSD/JPYがいくらかということを考えると分かり易い。107円や、117円である確率は極めて０に近い。一方、昨日の終値付近の112.20-50円である確率は50％以上はありそうな気がする。

それでは、そんな天気予報のような確率をどうやって割り出せるのかということになるのだが、そのオプションプレーヤー（あとで、調べて詳しく載せる予定です。）は次の２つのことで知る事ができると言っている。

一つ目は、価格帯売買出来高である。どの価格でいくらぐらいのマネーが取引されたという株式でよく使われるデータであるが、残念ながら為替の場合には一般人がこのデータを手に入れることはできないようである。（もし、この情報を知る方法があれば教えてください。）株式でもよく言われることなのだが、出来高の多い価格帯には、値を寄せやすく、逆に売買高の低い価格帯は値が跳ぶことがよくある。これを彼の理論に直すと、売買高の多い価格では、存在確率が高くなり、売買高の低い価格では、存在確率が低いということになる。
２つ目に重要なデータはオーダーである。これも我々は見る事ができないが銀行などのディーラーは見る事ができるらしく、FX-waveなどで粗いオーダーは日に2回配信されている。また、OANDAのようにオーダーの情報を公開している業者もある。例えば、指値で大きな売りが入っていれば、当然ながら、その値段より上の存在確率は下がり、また、ストップが入っている地点の存在確率はかなり下がるはずである。

この２つの情報によって存在確率というひとつのパラメーターに焼き直す訳だが、これでどのようなことが分かるのだろうか？
そのオプションプレーヤーの使用法はその本を読んで頂くとして、ここでは、簡単な例を考えてみたい。

次のような状況を考えてみよう。

* 114.53
* 114.52
* 114.51
****** 114.50
******** 114.49
********* 114.48

114.50より下に売りのオーダーが大量にあり、それ以上にストップが入っている場合にはこのような存在確率になると思う。

多分、２つのことが言えるだろう。
1つは、114.50の境界を越えて上に行くためには、エネルギーが必要ということだ。よく言われるレジスタンスのポイントとなる。
もうひとつは、114.52以上は存在する確率が低いということは、小さいエネルギーで上下に値が跳び易い状況であるということだ。
よくバリアを超えた途端に、5-10pips跳ぶことがあるが、この状況になっているのではないかと思う。

この様にブレークアウトによって大きく上に行ってしまうのは確率変数という一つの変数で考えるとより分かり易くなるのではないかと思う。（逆に分かり難くなったかも知れませんが。^^;））

私たちが注意すべき点は、ストップは確実に114.52付近に入れておくべきだということだろう。
また、リスクは高いが逆も狙って行くことができるかも知れない。

実際の為替の変動は、いろいろな要因が絡み合っているので、もちろん確率変数だけで語ることはできないが、ブレークアウトを狙ってくる状況であるかどうかを判断する１つの材料になるかも知れない。

まさに、12月27日の114.5円付近の状況はそういう感じではなかっただろうか？

114.80円 売り本邦輸出（邦銀・欧州系）
114.70円 売り・ストップ買い混在（欧米系）
114.50円 OPトリガー （邦銀・欧米系）
114.23円 9:00時点
114.20円 買い（欧州系）
114.00円 買い（欧州系）
113.80円 買い(邦銀・欧米系）

ちょっと長すぎて、わかりにくかったかもしれませんね。また、後で、修正・加筆するかも知れません。
それではノシ

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